外資系リーマンです。
アメリカ企業のネットワークの巨人AT&Tとベライゾンを比較してみました。
どちらのパフォーマンスが良かったのでしょうか。
AT&T、ベライゾンの直近の状態
AT&Tとベライゾンを見てみると、
どうしても配当利回りに差が出るため、
高配当投資家にはAT&Tの方が人気が高い気がします。
でも、本当にTの方がパフォーマンスが高いのかな。気になりました。
AT&Tは過去5年で見ると足元の株価は
最安値の状態で配当利回りは7.4%にもなります。35年連続増配銘柄でもあります。
一方のベライゾンは下記のとおりです。
AT&Tと違い過去5年で株価は右肩上がりの状態です。
直近のコロナウイルスの影響もすぐに株価は戻しています。
直近の配当利回りは4.48%とAT&Tには見劣りしますが、まずまず高配当です。
こちらも13年連続増配銘柄になります。
T / VZ 比較
比較条件
期間:2010-2020
金額:2010年に$10,000を投資
配当:配当金を得たらすぐ配当再投資を続ける
上記条件で比較をしてみました。
結果は下記のとおりです。
各銘柄のリターン(2010-2020)
配当利回りの低いVZの方がトータルリターンは高い結果になりました。
これは、VZの方が安定して高成長を続けているという表れでもあります。
Tは直近ディレクTVやタイムワーナーなどのメディアに力を入れており、
超巨額投資の費用が嵩んでおり、これによる負債の影響により
株価が下がり、パフォーマンスが落ちています。
各銘柄のグラフ
実は、2010年から切り取ってみると2018年、2019年まではあまり差がありません。
2018年に大きく株価が下がり、ベライゾンに差をつけられています。
この年にタイムワーナーを850億ドルの金額にて買収し、キャッシュフローが悪化したからですね。
また、ディレクTVの買収効果も現在のところ上がっていない事から、
投資家の巨額M&Aに対する目線は冷ややかです。
各銘柄の各年のリターン
比較的安定して成長をしているベライゾンに比べ、
AT&Tはボラティリティーが大きい事が分かります。
2019年大きく伸長していますが、2018年、2020年と大きく下げている事から、
実際のリターンは少なくなっています。
それぞれの配当金
実は、配当利回りの差に対して、実際配当金再投資を実施すると、
もらえる配当金額はVZの方が僅かに高い事が分かります。
これは2010年時点では、いずれも株価に差がなく購入できる株数に差がないこと、
増配率がそれぞれ年約2%ずつと大きく差がないためです。
まとめ
AT&TとVZの比較いかがでしたでしょうか。
どちらも、安定した通信企業のため、
10年間で切り取ると資産を増やすことができました。
しかし、同じ通信業界にいながら、この2社の目指す成長の方向性は大きく異なります。
AT&TはディレクTVや、タイムワーナーの巨額買収から見えるように、コンテンツを重視する戦略を取っています。この業界には、ネットフリックス、アマゾン等のライバルがひしめいています。
ベライゾンは、ヤフーアメリカ等を買収し、ネット広告戦略を取っています。
この業界には、フェイスブック、グーグル等のライバルがいますね。
どちらの企業も、アメリカ内での通信シェアはこれ以上大きく取れないことから別の成長の軸を模索しています。
しかし、いずれの分野もGAFAを筆頭とする巨大IT企業が既に陣取っており、
後発の2社はこれにどう太刀打ちできるかが今後の焦点になってきます。
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